当院の治療方針

① 薬に対する考え方

薬を使う場合、「何のために飲むのか」、「どんな時に飲んだらいいのか」といった飲む目的が明確にわかる説明を心がけています。「薬を飲まされている」「薬を飲むことが義務だから飲む」という感覚におちいらないよう、「今の自分にとって必要だから飲む」「自分が飲みたいから飲む」という意識が大事です。その際、「飲むのが不安なときは、いつでもやめていいこと」「薬の量は必要最小限であること」を保証します。薬の目的や自分の意思があいまいなまま薬を使うと、さらなる不安や苦しみを招いてしまうことが少なくありません。
薬に対して過敏な体質の方、薬に抵抗感の強い方は、対話のみの治療(カウンセリングや精神療法)も受けつけています。また、当院は漢方薬を治療に積極的に取り入れています。診察時にご相談ください。

② 精神療法/カウンセリングについて

当院では、薬を使わない「精神療法」「カウンセリング」という対話による方法を重視しています。ベースとなるのは、「心身相関(しんしんそうかん):切っても切れない心と体の特別なつながり」という考え方です。つまり、自分自身の中に、「こころの側に立った自分」と「からだの側に立った自分」の2つあるということです。両者のバランスがとれ、足並みがそろっているうちはいいのですが、いつもそうとは限りません。精神的ストレスや神経の疲労から両者が全く別々、正反対の動きを示し、負のスパイラルにはまってしまうことがよくあります。これがこころとからだの不調のメカニズムです。
心身相関をベースに、不安や苦しみ、認知に働きかけることで、自分を客観視できるようになり気持ちも楽になります(支持的精神療法/認知行動療法)。
こころの健康、こころの悩み、メンタルヘルス、対人関係の問題、様々なこころとからだの不調についてお気軽にご相談下さい。「誰にも話せないことを話したい」「ただ話を聞いてほしい」というご要望にもお応えしています。


③ 病名について

こころの病気は、生活の支障となる様々な症状のうち、最も特徴のある症状によって病名がつけられています。ところが、同じ患者さんにおいてもメインの症状は変わっていくのが普通です。非常に不快で気になっていた症状が、時間の経過ととともに無視できるほど小さくなることがあり、その逆のこともあります。
さらに細かく見ていくと、1日のうちでも症状に大きな波があることが一般的です。そのため、当院では、病名だけがひとり歩きしたり、病名への不信感がつのったりしないよう、「患者さんと一緒に病名を考えていく」という姿勢で治療に取り組んでいます。

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